ケース紹介 社内図書管理はExcelで始めよう!テンプレートと運用ルールを徹底解説

公開日時:2025.09.30 / 更新日時: 2025.10.21

社内図書管理はExcelで始めよう!テンプレートと運用ルールを徹底解説

社内図書管理をExcelで始める方法を分かりやすく解説します。管理台帳に必要な項目や、すぐに使えるテンプレートの作り方、スムーズな運用のコツを紹介。Excel管理のメリットだけでなく、限界点やその先のステップも知ることで、自社に最適な図書管理の仕組みを構築できます。

社内の書籍、誰が持っているか把握できていますか?「あの本、どこに行ったかな?」と探す時間が増えていませんか?社内図書管理は、社員のスキルアップや知識共有に不可欠ですが、管理が煩雑になりがちです。本記事では、多くの企業で導入されているエクセルを活用し、コストをかけずに社内図書管理を始める具体的な方法を解説します。テンプレートの作り方から運用ルールまで、すぐに実践できる内容をご紹介しますので、ぜひ自社の図書管理の仕組みづくりにお役立てください。

 

なぜ今、社内図書管理が必要なのか

社内に書籍を置くだけでなく、それを適切に「管理」することには、コスト削減以上の重要な意味があります。社員と会社の双方にとって、図書管理がもたらすメリットは大きいのです。

 

社員の学習意欲とスキル向上を促進できる

整備された図書管理体制によって、社員が読みたい本をすぐに見つけ、借りられる環境が整います。そのおかげで、社員一人ひとりの自発的な学習を後押しし、スキルアップへと繋げられます。新しい知識やスキルが業務に活かされることで、組織全体の生産性向上にも貢献します。

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会社の知的資産の散逸と紛失を防止できる

書籍は会社にとって重要な知的資産です。しかし、管理がなされていないと、貸し出されたまま行方が分からなくなったり、退職者が持ち出してしまったりするケースも少なくありません。誰が、いつから、どの本を借りているのかを記録することで、貴重な資産の紛失を防ぎます。

 

 

書籍購入コストの重複を削減できる

「A部署で買ったばかりの本を、B部署も購入していた」といった経験はありませんか?社内の蔵書を一覧で管理することで、同じ本を重複して購入する無駄を削減できます。「必要な本が社内に既にあるか」を確認してから購入するフローが定着すれば、コストの最適化が可能です。

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社内図書管理をエクセルで行うメリット

専門的なツールを導入する前に、まずは身近なエクセルから始めてみましょう。エクセルには、手軽に図書管理をスタートできるメリットが多く存在します。

 

メリット1:追加コストなしで手軽に開始できる

ほとんどの企業のPCには、Microsoft Officeが標準でインストールされています。そのため、エクセルを使えば、新たなソフトウェア購入費用をかけることなく、すぐに図書管理を始められます。コストを抑えたいと考える企業にとって、これは最大のメリットだと考えられます。

 

 

メリット2:使い慣れている社員が多ければ教育が不要

エクセルは、多くのビジネスパーソンにとって日常的に使用するツールです。基本的な操作が広く知られているため、図書管理の担当者や利用者に対して、特別な操作研修を行う必要がほとんどないことが多いです。導入のハードルが非常に低いと言えるでしょう。

 

 

メリット3:自社の運用に合わせて自由にカスタマイズ可能

エクセルは汎用性が高く、管理項目やシートのレイアウトを自由に設計できます。「管理場所」や「購入部署」など、自社特有の管理項目を追加することも簡単です。シンプルな蔵書リストから、貸出状況を管理する表まで、ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできます。

 

カスタマイズ項目例 説明
書籍カテゴリ 「技術書」「マーケティング」「自己啓発」など分類し、検索しやすくする。
保管場所 「A書棚」「B会議室」など、物理的な場所を明記する。
購入申請者 誰の希望で購入された書籍かを記録する。

 

 

特に注意!エクセルで社内図書管理をするデメリット

手軽に始められるエクセル管理ですが、運用していく中で見えてくるデメリットも存在します。事前に限界点を理解しておくことで、将来的なトラブルを防ぎましょう。

 

デメリット1:複数人での同時編集が難しい

デスクトップ版のエクセルファイルは、基本的に複数人での同時編集に対応していません。誰かがファイルを開いていると、他の人は閲覧しかできず、編集内容が競合してしまう「先祖返り」 と呼ばれるトラブルが起こりがちです。

 

 

デメリット2:貸出・返却状況のリアルタイム把握が難しい

貸出や返却があるたびに、担当者が手動でエクセルファイルを更新する必要があります。この更新作業が遅れたり、忘れてしまったりすると、台帳の情報と実際の状況が一致しなくなります。これにより、「台帳では在庫があるはずなのに、棚には本がない」といった事態が発生します。

 

 

デメリット3:データ量の増加で動作遅延するリスクがある

管理する書籍が数百冊、数千冊と増えてくると、エクセルファイルのデータ量が大きくなり、ファイルを開いたり、並べ替えたりする際の動作が著しく遅くなることがあります。業務効率の低下に直結する、無視できない問題です。

 

 

デメリット4:ヒューマンエラーが発生しやすい

全てが手入力であるため、「貸出日を間違える」「返却済みなのに更新を忘れる」といったヒューマンエラーが発生しやすい環境です。また、関数や数式を誤って消してしまうといったリスクも常に伴います。

 

デメリット 具体的なリスク例
同時編集の困難さ 他の人が編集中のため、貸出登録ができない。
更新のタイムラグ 返却された本が、台帳上はまだ「貸出中」になっている。
動作遅延 本を探すためにフィルターをかけるだけで数分待たされる。
ヒューマンエラー 書籍番号の入力ミスで、別の本を貸出したことになってしまう。

 

 

エクセルで始める社内図書管理の4ステップ

デメリットを理解した上で、実際にエクセルで図書管理を始めるための具体的な手順を4つのステップで解説します。この通りに進めれば、誰でも簡単に管理の仕組みを構築できます。

 

 

ステップ1:管理台帳の項目を決定する

まず、管理に必要な項目を洗い出します。最低限必要なものから、あると便利なものまで、自社の状況に合わせて選びましょう。

 

必須項目 説明 あると便利な項目 説明
管理番号 書籍を一意に識別するための番号 ISBNコード 書籍の国際標準図書番号
書籍名 正式名称を記載 著者名 著者名を記載
貸出状況 「貸出中」「在庫あり」など 出版社 出版社名を記載
貸出日 貸し出した日付 カテゴリ ジャンル分けに利用
返却予定日 返却期限 保管場所 どこにあるかを明記
借主 借りている社員の氏名 備考 特記事項を記載

 

ステップ2:エクセルで管理用のテンプレートを作成する

ステップ1で決めた項目を1行目に見出しとして入力し、テーブルを作成します。フィルター機能を使えるように設定しておくと、書籍の検索が格段に楽になります。また、入力規則を活用して「貸出状況」はリストから選択できるようにしたり、条件付き書式で返却予定日を過ぎたセルに色を付けたりすると、より管理しやすくなります。

公開されている既存のテンプレートをカスタマイズするのもおすすめです。

参考:学習教材管理表 (棚卸表、貸出表付き) – 無料テンプレート公開中 – 楽しもう Office

 

 

ステップ3:書籍に管理番号を付与する

蔵書の一冊一冊に、ステップ1で設定した「管理番号」を割り振ります。例えば「TEC-001」(技術書-001)のように、カテゴリと連番を組み合わせると分かりやすいでしょう。この管理番号を記載したラベルシールを作成し、本の背表紙など分かりやすい位置に貼り付けます。これにより、エクセルのデータと物理的な本が一致し、管理が容易になります。

 

 

ステップ4:貸出と返却の運用ルールを策定する

ツールを導入するだけでは管理はうまくいきません。誰でも分かるシンプルな運用ルールを作り、社内に周知することが成功の鍵です。

 

貸出期間 一人あたりの貸出期間を定める。(例:2週間)
貸出・返却方法 誰が、どのようにエクセルを更新するのかを明確にする。(例:総務担当者のみが更新する、など)
延滞時の対応 返却が遅れた場合のリマインド方法を決める。

 

 

エクセル管理の限界を感じたら?次のステップはこれ!

エクセルでの管理を続けるうちに、「同時編集したい」「更新の手間をなくしたい」といった課題が出てくるかもしれません。その際は、より効率的な管理方法へステップアップを検討しましょう。

 

貸出管理システムの導入を検討する

貸出管理に特化したシステムを導入すれば、エクセルが抱えるデメリットの多くを解決できます。リアルタイムでの状況把握、自動リマインダー機能、バーコードを使った簡単な貸出・返却処理など、管理業務を大幅に効率化する機能が備わっています。

 

 

Notionなど情報共有ツールを活用する

近年、多くの企業で導入されているNotionのような情報共有ツールも、図書管理に活用できます。データベース機能を使えば、画像の登録やタグ付けが簡単に行え、視覚的で分かりやすい蔵書リストを作成できます。複数人での同時編集もスムーズです。

参考:あなたのニーズを叶えるAIワークスペース。| Notion (ノーション)

 

 

無料で使える貸出管理システム「カシカン」について

「いきなり有料システムはハードルが高い」と感じる場合、無料で始められるクラウド型の貸出管理システム「カシカン」のようなサービスもあります。QRコードを使った管理や自動リマインダーなど、効率化に必要な基本機能を備えており、エクセル管理からの移行先として有力な選択肢となるでしょう。

参考:スマホでかんたん貸出管理カシカン

 

 

まとめ

社内図書管理は、特別なツールがなくても、身近なエクセルを使えばコストゼロですぐに始めることができます。管理項目の設定、テンプレート作成、運用ルールの策定というステップを踏むことで、効率的な管理の第一歩を踏み出せます。まずはエクセルでスモールスタートし、運用する中で見えてきた課題に応じて、より高機能なシステムへの移行を検討するのがおすすめです。この記事が、貴社の知的資産を有効活用する仕組みづくりのきっかけとなれば幸いです。

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