内定者研修とは
内定者研修とは、企業が内定を出した学生や新卒者に対し、入社前の一定期間に実施する研修のことを指します。
目的は、
- 社会人としての基本的な心構えやビジネスマナーを身につけさせること
- 企業理解や業務知識を深めること
などにあり、入社後にスムーズにスタートできるための心理的なサポートにもなります。
内定者研修は、企業側にとっては人材育成の第一歩であり、内定辞退の防止や早期離職の抑制といった観点からみても重要です。
最近では、オンラインやハイブリッド形式を取り入れる企業も増えており、場所や時間にとらわれず柔軟な設計が可能になっています。
なお、法的には、研修や教育訓練の時間が労働時間に該当するかどうかは、その研修の位置づけや参加の自由度によって異なります。
研修を企画・運営する側としては、その位置づけや運営方法を明確にし、労働時間や報酬の取り扱いについても事前に整理・周知しておくようにしましょう。
①https://www.bls.gov/ors/factsheet/2018/pre-employment-training.htm
②https://www.mhlw.go.jp/content/000556972.pdf
内定者研修の目的
内定者研修の主な目的は、入社前の段階で内定者が社会人としての基本的なスキルや心構えを身につけ、『スムーズに職場に適応できるようにすること』です。
学生から社会人への意識の切り替えを促し、入社初日から自信を持って行動できる状態をつくることは、企業にだけでなく、内定者にとってもメリットがあります。
また、業務に関する基本知識や、業界・自社に関する理解を深めることも主な目的の一つです。
とくに多様なバックグラウンドを持つ内定者が集まる現代においては、「自分がこの会社で働く意味」を理解してもらうことが、モチベーション維持に直結します。
つまり、内定者研修はただの「入社前教育」にとどまらず、企業と内定者の相互理解と信頼構築を深める重要なステップ。
目的を明確に持ち、戦略的に設計することで、研修の価値を最大化することが可能になります。
内定者研修のメリット・デメリット
内定者研修は、企業と内定者の双方にとって多くの効果が期待される一方で、実施方法や運営の工夫が必要な側面もあります。
ここでは、研修を導入する際に押さえておきたいメリットとデメリットを整理してご紹介します。
内定者研修のメリット
内定者研修には主に以下のようなメリットがあります。
- 入社後の早期戦力化が期待できる
- 組織文化や価値観の浸透
- 内定者の不安軽減と意欲の向上
- 内定辞退の防止
特に内定期間中は「本当にこの会社でよかったのか」という不安を抱く学生も少なくありません。
研修により先輩社員と接する機会や、仲間との交流の場があることで、安心感が生まれ、入社意欲の維持・向上につながります。
③https://www.workpro.com.au/blog/how-pre-employment-training-enhances-the-job-ready-experience
内定者研修のデメリット
内定者研修には主に以下のようなデメリットがあります。
- 実施コストや運営負担がかかる
- 労務管理・労働時間の扱いに注意が必要
- 内容や設計次第で逆効果になることも
- モチベーションに個人差がある
形式的で中身の薄い研修や、負荷が高すぎる内容を組んでしまうと、かえって内定者の不信感を招いたり、疲弊させたりするリスクがあります。
研修後のアンケートやフィードバックの設計も含め、丁寧な運用が求められます。
内定者研修のやり方・ポイント
内定者研修を効果的に実施するためには、目的に合ったやり方を選ぶと同時に、内容の設計やコミュニケーションの工夫が重要になります。
特に最近では、単なる知識を伝えるだけではなく、「自ら考え、学び、行動する力」を育てるような研修が重視される傾向にあります。
【主なやり方・設計のポイント】
- オンライン・オフラインを組み合わせたハイブリッドな研修
- 双方向性を重視したワークやディスカッションの導入
- 本を活用した課題型研修（アクティブラーニング）の実施
- 継続的な接点づくりとフォローアップ
本を使った研修は、コストを抑えつつ高い学習効果を得られる手法として注目されています。
たとえば、ビジネスマナーや論理的思考、チームワークに関する書籍を選定し、読了後にレポートや小グループでの意見交換を実施するスタイルです。
読み取った内容を自分の言葉で語ることで、理解が定着しやすくなります。
- 社会人の基礎力育成：「仕事の基本」や「ビジネスマナー」などの入門書
- 思考力を鍛える：「ロジカルシンキング」「課題解決力」に関する実践書
- 組織理解を深める：「企業文化」や「経営理念」に関する書籍（自社に関連する出版物があれば尚良し）
研修内容や対象者に合わせた本の選定・配本サービスを活用するのもおすすめです。
④https://business.books-sanseido.co.jp/column/1320/
⑤https://business.books-sanseido.co.jp/column/1255/
まとめ
内定者研修は、入社後の活躍や定着に大きく関わる重要なステップ。
目的や研修スタイルを見直し、主体的な学びを促す設計が求められる今、本を活用した研修は効果的かつ導入しやすい方法として注目されています。
三省堂書店では、大量注文や請求書の発行も承っております。内定者研修の質を高めたいとお考えのご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
