ケース紹介 リーダーシップとフォロワーシップとは?関係性とチームを成功に導く方法を解説

公開日時:2025.12.25

リーダーシップとフォロワーシップとは?関係性とチームを成功に導く方法を解説

リーダーシップとフォロワーシップの重要性とその関係性を解説します。フォロワーシップは、単に指示に従うことではなく、主体的にリーダーを支え組織に貢献する力のことです。この記事では、それぞれの役割や具体的な高め方を紹介し、最強のチームを作るためのヒントを提供します。

組織の成果を最大化するためには、優れたリーダーの存在が不可欠です。しかし、リーダー一人の力だけでは、チームの力を最大限に引き出すことは困難です。そこで近年、リーダーシップと同じくらい重要視されているのが「フォロワーシップ」です。これは、チームのメンバーが主体的にリーダーを支え、組織に貢献する力を指します。

 

この記事では、リーダーシップとフォロワーシップの基本的な定義から、その重要な関係性、そしてチームの成果を高めるための具体的な方法までを分かりやすく解説します。

 

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リーダーシップとフォロワーシップとは?

 

強い組織を理解する上で、リーダーシップとフォロワーシップは欠かせない要素です。これらは対の関係にありながら、互いに深く影響を与え合います。まずは、それぞれの定義を明確に理解することから始めましょう。

 

リーダーシップの定義

 

リーダーシップとは、組織やチームが目標を達成するために、ビジョンや方向性を示し、メンバーを導く能力のことを指します。一般的に「指導力」や「統率力」と訳され、チームをまとめ、目標に向かって前進させるための原動力となります。リーダーシップは、役職者だけが持つものではなく、チームの一員であれば誰でも発揮する機会のある能力です。

 

フォロワーシップの定義

 

フォロワーシップとは、チームのメンバーが、組織の目標達成のために自律的・主体的に考え、リーダーや他のメンバーを支援し、組織に貢献することを指します。これは、単にリーダーの指示に盲目的に従う「従属」とは全く異なります。フォロワーシップを持つ人材は、リーダーの決定に対して建設的な提言を行ったり、チーム全体のパフォーマンスを向上させるために自ら考えて行動したりします。

 

リーダーシップとフォロワーシップの関係性

 

リーダーシップとフォロワーシップは、どちらか一方だけでは機能しません。これらが両輪となって初めて、組織は力強く前進できます。両者の関係性を深く理解することで、チームのポテンシャルを最大限に引き出せるのです。

 

組織を動かす両輪の関係

 

リーダーシップとフォロワーシップは、組織という乗り物を動かすための「両輪」に例えられます。リーダーが目標という目的地への地図を描き、進むべき方向を示す役割を担います。一方で、フォロワーはその地図を基に、実際に乗り物を動かし、目的地へと進むための具体的な行動を実行します。どちらの車輪が欠けても、乗り物はうまく進めません。両者が互いを信頼し、補完し合うことで、初めて組織はスムーズに目標達成へと向かうことができるのです。

リーダーシップとフォロワーシップが生む相乗効果

 

優れたリーダーシップとフォロワーシップが組み合わさることで、組織には大きな相乗効果が生まれます。フォロワーがリーダーの示すビジョンに共感し、主体的に行動することで、リーダーはより戦略的な意思決定に集中できます。また、フォロワーからの建設的なフィードバックは、リーダーの判断の質を高め、組織が誤った方向に進むリスクを低減させます。この相互作用により、チーム全体の課題解決能力が向上し、一人ひとりの成長も促進され、組織全体のパフォーマンスが飛躍的に向上するのです。

 

なぜ今フォロワーシップが注目されるのか

 

近年、ビジネスの世界でフォロワーシップの重要性が急速に高まっています。その背景には、現代社会の複雑な変化があります。

 

VUCA 時代における変化への対応

 

現代は、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字を取った「VUCA」の時代と呼ばれています。会社組織では、一人のリーダーの知識や経験だけでは対応しきれない問題が次々と発生しているとされます。現場の状況を最もよく知るメンバーが、主体的に情報を上げ、解決策を提案するフォロワーシップを発揮することが、組織全体の迅速な意思決定と変化への適応力を高める鍵となるのです。

 

多様な働き方と組織のフラット化

 

リモートワークの普及など働き方が多様化し、従来のピラミッド型の組織構造から、よりフラットな組織へと移行する企業が増えています。上司からの詳細な指示を待つのではなく、メンバー一人ひとりが自律的に考え、行動することが求められているのです。フォロワーシップは、こうした新しい働き方や組織の形を支える上で不可欠なスキルとなっています。

 

リーダーの負担増加とプレイングマネージャー化

 

人手不足などを背景に、多くの管理職が自身の業務をこなしながらマネジメントも行う「プレイングマネージャー」となっています 。リーダーの業務負担が増大する中で、チームのすべてを一人で背負うことは現実的ではありません。メンバーがフォロワーシップを発揮し、リーダーを主体的に支援することで、リーダーの負担が軽減され、チーム全体の生産性が向上します。

 

あなたはどのタイプ?フォロワーシップの5分類

 

フォロワーシップの概念を提唱したカーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授は、フォロワーを5つのタイプに分類しました。「建設的な批判」と「積極的な貢献」という2つの軸で、どのタイプに当てはまるか考えてみましょう。

 

フォロワータイプ 建設的な批判 積極的な貢献 特徴
模範型フォロワー 高い 高い 組織への貢献意欲が高く、リーダーに対して建設的な意見を言える理想的なフォロワー。
孤立型フォロワー 高い 低い 批判的視点は持つが、組織への関与が消極的で、評論家になりがち。
順応型フォロワー 低い 高い リーダーの指示に忠実に従うが、自らの意見を発信することは少ない。

「イエスマン」とも言える。

消極型フォロワー 低い 低い 指示されたことだけを最低限こなし、主体性や積極性に欠ける。
実務型フォロワー 中程度 中程度 自分の役割は着実にこなすが、それ以上の貢献には関心を示さないバランス型。

模範型フォロワー

 

模範型フォロワーは、リーダーの右腕とも言える存在です。組織の目標達成への貢献意欲が非常に高く、リーダーの考えを理解した上で、より良くするための建設的な意見や提案を積極的に行います。自ら率先して行動し、チームを良い方向へ導く、最も理想的なフォロワーです。

 

孤立型フォロワー

 

孤立型フォロワーは、批判的な視点や分析力に優れていますが、組織への関与や貢献の姿勢が低いタイプです。物事の問題点を見抜く力はありますが、改善するための行動には移さず、冷めた態度を取ることが多いため「評論家」と見られがちです。

 

順応型フォロワー

 

順応型フォロワーは、リーダーの方針や指示に素直に従い、積極的に協力するタイプです。チームの和を保ち、着実に業務を遂行しますが、自らの意見を発信したり、リーダーの決定に疑問を呈したりすることは少ないため、いわゆる「イエスマン」になる傾向があります。

 

消極型フォロワー

 

消極型フォロワーは、建設的な意見を持つことも、組織に積極的に関与することもなく、指示された業務を最低限こなすだけのタイプです。主体性に欠け、仕事への関与度が低いため、組織への貢献度は限定的です。

 

実務型フォロワー

 

実務型フォロワーは、上記4つのタイプの中間的な存在です。与えられた自分の仕事は着実にこなしますが、それ以上のリスクを取ったり、積極的に新しいことに挑戦したりすることは少ないです。現状維持を好み、安定したパフォーマンスを発揮します。

 

フォロワーシップを高めるためにできること

 

フォロワーシップは、意識と行動によって誰もが高めることができます。ここでは、チームの成果に貢献するための3つの具体的な行動を紹介します。

 

リーダーの方針やビジョンを深く理解する

 

優れたフォロワーシップの第一歩は、リーダーが何を目指しているのか、背景にある考えや価値観を深く理解することです。リーダーの言葉の表面だけを捉えるのではなく、意図を汲み取り、チーム全体の目標と自分の役割を結びつけて考えることが必要です。指示された業務以上の価値を生み出す行動が可能になります。

 

建設的な意見を出し積極的に提案する

 

チームやリーダーが示す方針に対して、常に「もっと良くするためにはどうすれば良いか」という視点を持ちましょう。もし疑問や懸念があれば、ただ批判するのではなく、具体的なデータや事実に基づいた代替案を添えて提案することが「建設的な意見」となり、チームの意思決定の質を向上させます。

 

チーム全体の動きを見て主体的にサポートする

 

自分の業務範囲だけに固執せず、常にチーム全体の状況を俯瞰的に見ましょう。業務が滞っているメンバーがいれば声をかけ、自分の知識やスキルを活かしてサポートしましょう。主体的な協力姿勢は、チーム内の連携を強化し、全体のパフォーマンスを底上げします。

 

組織としてフォロワーシップを育成するポイント

 

個人の意識改革だけでなく、組織全体でフォロワーシップを育む文化を醸成することが不可欠です。ここでは、企業が取り組むべき3つのポイントを解説します。

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ポイント1:心理的安全性の高い環境を作る

 

メンバーが安心して自分の意見を発言できる環境、すなわち「心理的安全性」が確保されていることは、フォロワーシップ育成の土台となります。リーダーは、どのような意見でもまずは受け止め、否定せずに耳を傾ける姿勢を示しましょう。失敗を責めるのではなく、挑戦を推奨する文化が、メンバーの主体的な行動を引き出します。

 

ポイント2:フォロワーの主体的な行動を承認し称賛する

 

メンバーがフォロワーシップを発揮した際には、その行動を具体的に承認し、称賛することが非常に効果的です。例えば、会議で建設的な意見を出した、困っている同僚を助けたといった行動をリーダーが見逃さずに評価することで、フォロワーシップが組織にとって価値あるものであるというメッセージが伝わり、他のメンバーの行動も促進されます。

 

ポイント3:フォロワーシップに関する研修機会を提供する

 

フォロワーシップの重要性や具体的な行動について、改めて学ぶ機会を提供することも有効です。研修を通じて、フォロワーシップの基本的な考え方や、ロジカルシンキング、コミュニケーションスキルといった、建設的な提言に必要な能力を体系的に学ぶことができます。組織全体でフォロワーシップへの理解が深まります。

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まとめ

 

本記事では、リーダーシップとフォロワーシップの定義から、その相乗効果、そして現代における重要性について解説しました。リーダーシップが組織の方向性を指し示す力であるならば、フォロワーシップは組織を実際に動かし、目標達成へと導く力です。これらは対立するものではなく、組織を動かす両輪として機能します。

 

予測困難な時代において、強い組織であるためには、メンバー一人ひとりが主体的に考え、行動するフォロワーシップを発揮することが不可欠です。この記事で紹介したフォロワーシップの高め方や育成のポイントを参考に、ぜひご自身のチームや組織の活性化に取り組んでみてください。

 

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