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ITパスポート試験とは?

ITパスポートの合格率について見ていく前に、まずはどのような試験なのか、基本的な概要と合格するための基準を理解しておきましょう。
ITの基礎知識を証明する国家試験
ITパスポート試験は、ITを利活用するすべての社会人や学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。経済産業省が認定する「情報処理技術者試験」の一つで、その中では最も易しい入門レベル(スキルレベル1)に位置づけられています。特定のIT技術に関する専門的な知識ではなく、情報セキュリティやネットワーク、経営戦略など、幅広い分野の総合的な基礎知識が問われるのが特徴です。
試験の概要と合格基準
ITパスポート試験の基本的な情報を以下の表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
| 試験時間 | 120分 |
| 出題数 | 100問(四肢択一式) |
| 受験料 | 7,500円(税込) |
| 試験実施 | 全国の会場で随時実施 |
合格するためには、以下の2つの基準を両方満たす必要があります。
| 総合評価点 | 1,000点満点中、600点以上であること |
| 分野別評価点 | ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野すべてにおいて、それぞれ1,000点満点中、300点以上であること |
総合点で600点を超えていても、いずれか一つの分野でも基準点(300点)に満たない場合は不合格となります。そのため、苦手分野を作らず、すべての分野でバランス良く得点することが重要です。
ITパスポートの合格率の最新情報と推移
それでは、本題であるITパスポート試験の合格率を見ていきましょう。ここでは、最新のデータと過去からの推移、そして属性別の合格率を詳しく解説します。
最新の合格率は約50%
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の発表によると、令和5年度(2023年4月~2024年3月)のITパスポート試験の合格率は50.3%でした。この年の受験者数は265,040名、そのうち合格者数は133,292名となっており、約2人に1人が合格している計算になります。ITパスポートは、国家試験の中では比較的挑戦しやすい試験であると言えるでしょう。
過去5年間の合格率の推移
過去5年間の合格率の推移を見ると、ITパスポートの合格率がおおむね50%台で安定して推移していることがわかります。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和元年度(2019年) | 103,812名 | 56,323名 | 54.3% |
| 令和2年度(2020年) | 131,788名 | 77,512名 | 58.8% |
| 令和3年度(2021年) | 211,145名 | 111,241名 | 52.7% |
| 令和4年度(2022年) | 231,526名 | 119,495名 | 51.6% |
| 令和5年度(2023年) | 265,040名 | 133,292名 | 50.3% |
受験者数は年々増加傾向にあり、ITの基礎知識の重要性が社会的に広く認識されていることがうかがえます。
【属性別】社会人と学生の合格率
ITパスポート試験の合格率は、社会人と学生で差が見られます。令和5年度のデータでは、社会人の合格率が53.0%であるのに対し、学生の合格率は40.2%でした。
| 属性 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 社会人 | 208,912名 | 110,750名 | 53.0% |
| 学生 | 56,128名 | 22,542名 | 40.2% |
社会人の合格率が学生よりも10ポイント以上高い理由として、試験範囲にあります。ITパスポートでは、IT技術(テクノロジ系)だけでなく、経営戦略(ストラテジ系)やIT管理(マネジメント系)といった、ビジネスの実務経験を通じて理解が深まる分野が出題されるため、社会人の方が有利になる傾向があると考えられます。
合格率から見るITパスポートの難易度

ここまでで挙げたように、 ITパスポートの合格率は約50%です。この数字を他の資格と比較しながら、ITパスポートの難易度について考察します。
他の国家資格と比較すると難易度は易しい
ITパスポートの合格率約50%は、他の国家資格と比較すると高い水準です。例えば、同じ情報処理技術者試験で一つ上のレベルである「基本情報技術者試験」の合格率は近年40%台で推移していますし、宅地建物取引士(宅建士)の合格率は17%〜18%程度です。比較すると、ITパスポートはしっかりと対策すれば十分に合格が狙える、難易度としては易しい部類の国家資格と言えます。
参考:統計情報(基本情報技術者試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:報道発表資料:令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について~宅地建物取引業者数は11年連続で増加~ – 国土交通省
合格の鍵はバランスの良い学習
難易度が比較的易しいとはいえ、誰でも簡単に合格できるわけではありません。前述の通り、ITパスポートには分野別の合格基準点が存在します。IT技術が得意だからといってテクノロジ系の学習ばかりに偏ってしまうと、ストラテジ系やマネジメント系の点数が基準に届かず不合格になる可能性があります。合格率50%という数字の裏には、こうした「足切り」によって不合格になった受験者も含まれています。合格するためには、3つの分野を万遍なく学習し、苦手分野を作らないようにしましょう。
ITパスポートの合格を目指すためのポイント
ここからは、ITパスポートの合格を勝ち取るための具体的な学習のポイントを3つ紹介します。
ポイント1:必要な勉強時間の目安を把握する
1日に確保できる学習時間から逆算し、無理のない学習スケジュールを立てましょう。例えば、初めて受験する方が3ヶ月で合格を目指すなら、「180時間÷90日=1日2時間」の学習が必要になります。
ポイント2:インプットとアウトプットを繰り返す
参考書を読んで知識をインプットするだけでなく、問題演習(アウトプット)をセットで行うことが記憶の定着に繋がります。出題範囲は非常に広いため、一度にすべてを覚えようとするのは非効率です。「テキストを1章分読む→対応する範囲の問題を解く」というサイクルを繰り返しましょう。理解度を確認しながら着実に知識を身につけるよう心がけるのがおすすめです。
ポイント3:公式サイトの過去問題を積極的に活用する
学習がある程度進んだら、IPAの公式サイトで公開されている過去問題に挑戦しましょう。実際の試験の形式や時間配分、出題傾向を体感できます。時間を計って本番さながらに解いてみるのがおすすめです。間違えた問題は、なぜ間違えたのかを必ず復習し、同じ間違いを繰り返さないようにすることが合格への近道です。
ITパスポートを取得するメリット

最後に、ITパスポートを取得することで得られるメリットを3つ紹介します。学習のモチベーション維持に繋げてください。
メリット1:ITリテラシーの客観的な証明になる
ITパスポートは国家資格であるため、取得することでITに関する基礎知識や情報セキュリティ、コンプライアンス意識などを客観的に証明できます。現代のビジネスにおいて不可欠なITリテラシーの高さをアピールできるため、職種を問わず有効な資格です。
メリット2:就職・転職活動で有利に働く
IT人材の需要は年々高まっており、多くの企業がITの基礎知識を持つ人材を求めています。そのため、ITパスポートを取得していると、特にIT業界以外への就職・転職の際に、有利に働くことがあります。エントリーシートで評価されたり、入社後の研修で役立ったりするケースも少なくありません。
メリット3:さらに上位のIT資格への足がかりになる
ITパスポートは、ITエンジニアの登竜門とされる「基本情報技術者試験」や、情報セキュリティの専門家を目指す「情報セキュリティマネジメント試験」など、より専門的なIT資格へステップアップするための土台となります。ITパスポートの学習を通じて得た幅広い基礎知識は、これらの上位資格を目指す際に必ず役立ちます。
【関連記事】書籍・専門書代は経費になる?勘定科目と注意が必要なケースを紹介 |三省堂書店法人専門サービス
まとめ
ITパスポートの合格率は約50%で安定しており、国家資格の中では比較的難易度が低く、挑戦しやすい資格です。しかし、合格のためには3つの分野をバランス良く学習し、苦手分野をなくすことが不可欠です。本記事で紹介した勉強のポイントを参考に、自分に合った学習計画を立てて、ぜひ合格を掴み取ってください。
【関連記事】効率良く学ぶITパスポート勉強方法ガイド|三省堂書店法人専門サービス
参考:
ITパスポート試験の勉強時間目安は?最短で合格する方法を徹底解説 – STUDYing
ITパスポート試験の勉強時間はどれくらい必要?合格に必要な期間と効率的な学習法
