社会人研修におけるマナーはどうやって学ぶ?
新卒社員が社会人として第一歩を踏み出すとき、一番はじめにぶつかるのがビジネスマナーの壁です。
電話応対、メールの書き方、敬語の使い方、名刺交換など、学生時代にはあまり触れる機会のなかったマナーが、入社初日から求められます。
そのため、多くの企業では入社時研修の中にマナー研修を組み込んでいます。しかし、研修の時間や講師の確保が難しい企業も多く、実際には網羅的に教えきれていない現場もあります。
そこで近年注目されているのが、書籍を活用したマナー研修です。体系的にまとめられた良質な書籍を活用することで、社員が自ら学ぶ力を育みながら、会社として共通の教育水準を確保することができます。
とくにビジネスマナーは「知っているかどうか」が大きな差となって現れる分野であり、はやい段階で正しい知識を身につけておけば、社内外とのトラブル防止にもつながります。
マナー教育の導入方法として「書籍」は、効率的かつ再現性の高い手段といえるでしょう。
社内研修のマナーに関する書籍の選び方
社内研修で使用するマナー書籍は、単に内容が網羅されているだけでなく、誰に対して、どの段階で読ませるかに応じて適切に選ぶことが大切です。以下に、書籍選びのポイントを具体的に解説します。
対象者のレベルに合わせる
新卒社員向けであれば、まずはビジネスマナーの基礎だけに絞ったものがおすすめです。
敬語の使い方、身だしなみ、メール・電話対応など、実務に直接つながる内容が盛り込まれているものを選びましょう。
一方で、すでに一定の社会人経験がある中途社員や若手社員には、「マナー+考え方」や「仕事の進め方」に踏み込んだ内容の書籍が適しています。
文字量と図解のバランスを見る
ビジネスマナーは視覚的に理解しやすい内容も多く、図やイラストが多く取り入れられている書籍は読みやすさの点でおすすめです。反対に、説明文が多く堅い文体の書籍は、初心者には敬遠されがちのため、避けた方が良いかもしれません。
特に集合研修で使う場合は、グループディスカッションやワークの素材として活用できる構成かどうかもポイントです。
継続利用できるかを意識する
研修時だけでなく、配属後も手元に置いて参照できるような「実用性の高い書籍」は、初期だけでなく、長い間読み返すことも期待できます。チェックリスト形式や索引がついているものは、実務の場でも役立つはずです。
また、会社として同じ書籍を継続して採用することで、指導の基準が統一され、先輩社員によるフォローも行いやすくなります。
社会人1年目へおすすめする本
新卒研修用として最も多くの企業で支持されている書籍のひとつが、『入社1年目の教科書』です。
この本では、社会人として仕事を進めるうえで大切な「3つの原則」が紹介されており、マナーの本質や仕事に対する基本姿勢の理解を助けてくれます。
内容は新社会人向けに簡単にまとめられていますが、ベテラン社員が改めて読み直しても納得できる深みがあり、研修講師や先輩社員が共通の教材として使いやすい点も大きな特徴です。
また、大学や短大のキャリア教育において教科書として採用された実績も多く、新卒社員のスタンダード読本として広く支持されている一冊です。
参考記事:https://business.books-sanseido.co.jp/column/1320/
企業人事担当者の声
自社で新卒研修を担当するなかで、マナー研修の方法については常に試行錯誤が続いてきました。外部講師を招いたこともありましたし、先輩社員によるロールプレイ形式も試しました。
ただ、時間と人手の確保が難しくなる年度もあり、安定的に実施するのが課題となっていました。
そんな中で導入したのが、「書籍をベースにしたマナー研修」です。最初は「ただ読ませるだけでは理解が浅いのでは」と不安もありましたが、予想以上に好反応が多かったのが印象的でした。
特に新入社員が自分のペースで内容を反復できることだけでなく、教える側・受ける側で共通の前提知識がつくれる点が大きな利点だと感じました。
個人的には、「マナー研修=正解を教える場」というよりも、「どう振る舞えば相手に安心感を与えられるか」を考えさせる場にすることが重要だと感じています。そういう意味でも、書籍という外からの視点を利用する方法は、研修の質と安定性を両立できる有効な手段だと思います。
まとめ
社会人としてのスタートに不可欠な「マナー教育」。その定着には、実践的でわかりやすい教材が欠かせません。
書籍を上手に活用すれば、指導の質が標準化されて、受け手側の理解も深まりやすくなります。書籍は一度導入すれば何度も使えるため、コストパフォーマンスにも優れた研修資材と言えるでしょう。
法人向けサービスを活用すれば、書籍の大量購入や請求書払い、納品管理もスムーズに対応可能です。
新卒研修を成功に導くために、信頼できる一冊を早めに準備し、組織としての一体感とビジネスマナーの土台を整えていきましょう。